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オキシトシンを肥満治療に実用化するまでの課題

2019年10月06日
体重に落ち込んでいる女性

オキシトシンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、肥満治療に効果があるのではないかと言われ、実用化が期待されています。
オキシトシンは「恋愛ホルモン」とも呼ばれ、抱きしめる、キスをする、など絆を強める行為を行う際に分泌が多くなります。
また、授乳中の乳汁の分泌促進にも作用しています。
このような快感に結びつているオキシトシンが肥満治療に使えると考える理由は、「幸福感が強まると食欲が減少する」からです。
つまり、食べなくても空腹感を感じにくくなります。

オキシトシンを肥満治療へ実用化しようとする動きはすでにあります。
人間を使った実験では、鼻腔投与製剤を使用した男性被験者が、摂取カロリー、脂質の摂取の量が減ったという報告があります。
こういった実験では、「実験だから摂取量をセーブする」などの心理的な影響が出ないように、被験者にはオキシトシンを鼻腔投与したことは伝えられないことになっています。
そして、投与した群と投与しなかった群(偽薬を投与)に分けて、同じようなスタイルで食事を摂ってもらいます。
この結果、オキシトシンを投与された群は、平均して122カロリー減、脂肪については80cal(9g)の摂取減という結果になりました。

ただ、実用化までには課題があります。
ダイエット効果が実際にあるのかどうか、副作用の心配がないかどうか、女性にも有効かどうか、などの課題です。
たとえ一定の効果が得られたとしても、一般的に使える製品として開発するためには、時間がかかります。
また、開発費用が大きすぎると、万人に使える薬にならず、肥満治療薬としての価値は下がります。
今後の課題として、安全性、費用、本当に効果があるのかどうか、などが論点になりそうです。